シルバーブリッジ(銀の橋)

 

11月9日の早朝登城。目的は3つあって、一つめは直球の前日紛失したリモコンの捜索。二つめはこれに関連して、米子城朝日浴をすることで先日の眼鏡のようにリモコンが戻ってこないかなという戦略的登城。三つめは満月の翌朝の深遠なる清々しさに満ちた月の入りを体感すること。
いずれも重要なミッションだが、まずは三つ目の月の入り観望から。中海の夜の月影はシルバーブリッジ(銀の橋)とも呼ばれ、夕日が描き出すオレンジロードともひと味違うソリッドな美彩を放つのであるが、少し黄味がかった月の入りの淡いゴールデンロードも得も言われぬ気品に満ちた美しさがある。これも満月かその前後あたりという期間限定の絶景。朝日浴を裏切るわけではないが、月光浴に1票!とつい言いたくなってしまう。
こうして禊を行ったあと邪念を捨てて、一つめのリモコン捜索と二つめの朝日浴に臨むことになる。そもそも、特に二つめの目的は邪念ではないかと思われる向きもあるかもしれないが、まあ、現場にいると邪念に捕らわれている暇もないほど目の前の絶景に心を奪われるのだ。

[  Y.OKA ]